プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/エイジング・アドバイザー® 就職支援の現場からの活動報告

プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー(R) 就職支援の現場

専門学校での就職支援 〜 2

(2)学生対応

専門学校の学生の授業は、学科・専攻によって様々ですので、基本的に個別指導はアポイントをとって30分刻みに行っています。「適職がわからない」「親と意見が違う」「志望動機がうまく書けない」「面接が苦手」など、学生の悩みはさまざまです。面談を重ねるうちにコミットできると、学生はかなりプライベートな話もしてくれるようになります。ここでキャリアカウンセラー(1)心理学の知識 (2)就職させるためのスキル (3)労務管理の知識が求められます。心理学に関しては、“励ましの心理学”に基づいてサポートしますが、昨今フリースクールから進学してくる学生が多く、コミュニケーションスキル不足の若者が多い傾向にあります。就職させるための知識という点では、単にキャリアカウンセラーという資格をもっている職員と、“落としどころ”が分かっている職員つまり年季の差が歴然です。企業で人事経験のあるキャリアカウンセラーの方が、(2)と(3)はクリアできているので、学生のマッチング、採用実績は高いです。

(1)に関しては、スクールカウンセラーがいるものの、常駐ではありませんから、かなりの頻度で担任からSOSを発せられることもあり、研鑽が欠かせません。いじめや親の離婚がきっかけで、他者との関わりに自信喪失した若者を励まし、就職活動スタート地点までゆっくり引っ張り上げるため、学生の歩みの速度にあわせて二人三脚しなければなりません。概して大人の方が歩幅が広いので、あまり強く引っ張ってしまうと、学生はついていけなくなり、「就職やめる」と言い出しかねません。また、企業の担当者に頼み込んで受験させて、途中で辞退する羽目に陥っても頭ごなしに学生を叱るわけにもいきませんから、見極めが重要。

学生との距離を縮めるには、HRの時間を利用して就職のアナウンスをしたり、就活ワンポイントレッスンなど、具体的な指導をしていくことが有効です。学生に興味をもってもらうためには、紹介できる実例をどのくらいもっているか、引き出しの広さ、深さが求められます。そして決して怒らないこと。厳しく言わねばいけない場面は多々ありますが、導入部で怒ってしまうと学生は反発したり恐れたり、大人から離れていくので、若者の就職指導には忍耐力が求められます。また、LDやAADHDなど学習困難な学生が微増している現実の中で、専門知識をしっかり携えて担任、スクールカウンセラーと協同作業をする意思の強さも欠かせません。

(3)企業開拓

学生の能力、個性はさまざまですから、1人あたり5〜10社の求人数あっても、なかなかマッチングが難しい場合もあります。そこで、丁寧なカウンセリングを積み重ね、定着できそうな組織を見極めなければなりません。学校に適当な求人がなければどんどん開拓していくことが求められます。
合同企業説明会にもぐりこみ、人事担当者に余裕があるタイミングを見計らって名刺交換。求人票を送っていただく交渉をします。その際に人事担当者の熱心さがわかりますので、好印象だった企業には後から電話したり表敬訪問するなど、距離を縮めていきながら学生を送り込みます。

或いは各種情報誌をマメにチェックして、自分が「いいな」と思う企業に片っ端から電話して新卒採用計画の有無を確認します。気になる企業は訪問して自分の目で確かめます。そうして学生の紹介するまでに早くて2週間、場合によっては1〜2ケ月後に求人票が送られてくることもあります。せっかく開拓してもタイミング悪く、適当な学生を送り込めないときもありますが、「永い目でみておつきあいください」と、適当な時期に表敬訪問し、つないでおく細心の注意を怠りません。昨今は売り手市場と言われますが、学生の二極化は著しく、景気が悪くなれば新卒採用から減らされますから、常によい関係を保つことが重要なのです。

(4)学校行事

学内での各種就職イベントの企画・運営に関しては、キャリアカウンセラー個々の能力が試される場面でもあります。学生の実態に即した効果的なイベントを考え、企業や知識人、各種団体に働きかけ、お力添えいただきます。その交渉力もカウンセラーの力量のひとつです。一条校にくらべ、専門学校は経営が厳しい学校が多いです。少ない予算で最大の効果をあげる、まさに企業人としてのセンスと、非営利経営のセンスの両方を兼ね備えていなければなりません。